JNCC 第4戦「 ワイルドボア鈴蘭 」 熱田の ディープインパクト! 

  • JNCC 全日本クロスカントリー選手権 第4戦 ワイルドボア鈴蘭
    日時:2022年6月12日(日曜)
    場所:鈴蘭高原スキー場跡地
  • Reported by SATOMI suzuki

 タフさでJNCC屈指 ワイルドボア鈴蘭


 

  • 6月11日-12日 全日本クロスカントリー選手権 JNCC 第4戦 ワイルドボア鈴蘭 が開催された。
  • ヒルクライムとガレセクションが多くJNCC全戦の中で最高難易度のコース、鈴蘭高原スキー場跡地に COMPクラス 203名、FUNクラスには 203名がエントリー。 レース前夜は雨だったため、当日はひどいマディコースが予想されたがコース全体の水はけが良かったため、予想されていたよりも良い( とはいえガレや水切りなどで気は抜けないが )コースコンディションでのレースとなり、全体的にハイスピードな展開に。

 
 
 
 

 オロチに喘ぐ 激動の COMP


 

  • COMPクラスのコースはヒルクライムとガレセクションが多く、浮き石の多い岩畳や浮き石ゴロゴロの長い下り、ボーナスラインとなる「 COMP ショウタイム 」、そしてワイルドボア鈴蘭 の代名詞となりつつある 広大なハーフパイプセクション 全体が大ガレ化した 超難セクションの「 大蛇(オロチ)」が舞台となり、現役モトクロスIAトップライダーの 小方誠、モトクロスIAチャンピオンの経歴を持つ 小島太久摩、全日本ハードエンデューロ選手権チャンピオンの 山本礼人という他ジャンルのビックネームが参戦し、まさに異種格闘技決戦の様相となり観客を沸かせた。

 
 
 
 
 
 

 
 
 

 
 
 

 

  • スタートから快調に飛ばすのは2連勝中の昨年度チャンピオン#1 馬場大貴( bLUcRU TEAM887 with YSP浜松 )、後方スタートからの#7 渡辺学 ( bLUcRU Twister Racing )が落ち着いて1台ずつパスしオロチを終えた頂上付近で先行する#25 小方誠、#3 熱田孝高( BIVOUAC大阪 with RG3 Racing )、#9 齋藤祐太朗( 宗七音響 Wise Beta Team )をも抜いて2番手に躍り出る。下りで馬場を猛追する渡辺に熱田が追いつき2位となるが、ライン選択をミスした熱田の隙を渡辺が抜き去る熱いバトルが繰り広げられた。2周目に入ると既に周回遅れのライダーがあちこちに現れ混雑の始まった 大蛇(オロチ)ではミスの無いライン取りがとても重要になってくる。3周目には熱田がトップを死守し、なんと2位の渡辺に7分半もの大差を付けて今期うれしい初優勝を飾った。

 
 
 
 
 
 

 

  • 渡辺、小方の2位争いは渡辺が安定した走りで小方を狙い続け、後半小方のタイムが落ちてくると一気に引き離しそのまま2位へとポジションを上げ貫禄を示した。しかしながらJNCC難コース筆頭に挙げられる鈴蘭での小方の韋駄天ぶりは強烈な印象を残し(それも初鈴蘭で)、コースを問わず今後は優勝争いに絡むライダーとしてしっかりマークされるだろう。

 
 
 
 
 
 

 

  • 一方、強豪MX出身ライダーの中で一人気を吐いたのがクロスカントリーライダー#9 齋藤祐太朗( 宗七音響 Wise Beta Team )。今期はビックディア広島で鈴木健二と1周半に亘りトップ争いをを繰り広げるなど、自身の限界に挑戦するような意欲的な走りをしてきたが早くもこの鈴蘭で結果が付いてきた。手強い#15 中島敬則( bLUcRU レーシングチーム鷹 )と中盤まで熱いバトルを続けていたが齋藤の勢いは止まらず、安定したタイムで中島を引き離し3位の小方を追いつめる走りを魅せ観客を沸かせた。最終的には小方が1秒差で逃げ切り3位を死守したが、現役モトクロスIAのトップライダーを追いつめた走りは大きな財産になったであろうし、何よりも若いAAライダーに「やる気になれば壁は乗り越えられるんだ!」と示した影響は計り知れないだろう。

 
 
 
 
 
 

 熱田の ディープインパクト!


 
( *高画質 1080p が’選択できるので、ぜひ大画面でご覧ください! )
 

  • MX世界選手権で上位入賞を果たすなど、偉大なライダー熱田ではあるが難所の多いクロスカントリーの経験が少ないことから、特にこの初鈴蘭ではレースが進行するにつれ馬場と渡辺から離されていくのだろうと大半の観客が予想したに違いない。
  • しかしコースに慣れ始めた中盤からの走りはまるで水を得た魚のようで、弾かれ暴れるマシンをしなやかに操るライディングはマージンさえも感じられ、難コースに喘ぐトップライダーを尻目にまるで GNCCライダーのように2位 渡辺に7分26秒もの差をつけブッチぎった。これまでは難セクションにやや弱い熱田として、馬場、渡辺との3人均衡が取れていた感があったが、いつものアグレッシブな全開ライディングとは対極なスムースライディングで観客を魅了し優勝した熱田の衝撃は、これからのシーズン後半、彼の得意なコースがに続くだけに常勝ライダー達にとって軽いものではなかったであろう。
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  • 底知れぬポテンシャルを感じさせた熱田、再戦必勝を秘める渡辺と馬場、高い順応性を見せ一気に上げてきた小方、そして熱い想いでサラブレッドに立ち向かい結果を出した斎藤、JNCCを牽引する COMPトップグループでは、新たな時代が動き出したようだ。