2024年 PREMIUMレーシング 発進 !!

  • JNCC 全日本クロスカントリー選手権 開幕戦 サザンハリケーン大阪
    日時: 2024年2月25日(日曜)
    開催地:プラザ阪下
  • Reported by DAIGO MIYAZAKI

 2024 JNCC開幕 FUN-GP!

 

  • いよいよ今年もアジア最大のオフロードレース、JNCCが開幕した。クロスカントリーレースの醍醐味は何と言っても、多種多様なコースの攻略と対応。シーズンを通して見ればゲレンデを主体としたコース設定がメインとなるものの、「ビッグディア広島」のテージャスランチのように牧場とマウンテンをミックスした複合コースがあるかと思えば、「AAGP森羅」の爽快超ロングコース、「サンドバレー八犬伝」のサンドヒルクライムまでと、まさに多種多様だ。そんな中でも異彩を放つのが「サザンハリケーン」。すでにJNCC開幕戦の舞台としておなじみのプラザ阪下だが、前日の土曜日、AAトップライダーに話を聞くと「阪下だけは仕様を変えています」というコメントが実に多い。低速ウッズ区間がなくモトクロスコース的なハイスピードセクションが多いため、サスペンションセッティングは固め、タイヤ選択や内圧(ムースの固さ)も自ずと阪下仕様となるのだ。
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  • さて、前日の好天気とは打って変わり、日曜日は朝から気温が低く、雨がぱらつく天気模様。スタート位置が今年から変更され、モトクロスコース内のワイドなストレートからの一斉スタートとなった。コースディレクターの萩原一氏によれば「昨年までは10台くらいしか横に並べず、1コーナー以降のセクションも狭かったので、出遅れてしまうと致命的になってしまいましたが、今回からは20台以上が並べるようになりました。スタートで出遅れても勝負できる『ストレスフリー』にしています」と語ってくれた。
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  • 午前9:00、いよいよ2024年最初のFUN GPが始まる。コース全長は5.5km。COMP GPよりも約1km短いレイアウトが用意された。FUN GPはCOMP GPに比べると比較的難易度の高いセクションが少ないものの、この日最初のレースゆえに路面状況は走ってみないと分からない。しかも、深く溜まった水たまりの水溜りが待ち受けているではないか! ライダーブリーフィング前にライダー達は戦々恐々としながら、2コーナー先に待ち構える大きな水たまりをチェックする姿があった。
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  • しかしそこはあらゆる路面に対応することに慣れているオフロードライダー。水たまりは見た目ほど深くなく、また阪下の土質状、雨が降り続いている限りスタックする恐れがない。スタートでは濡れるのを避けるため水たまりの脇のラインを選択するライダーが多かったものの、ど真ん中を思い切り突っ切る猛者もいる。問題はその後のバンク坂だ。普段はモトクロスコースのバンクとなっている部分を通過しなければいけないのだが、ここで失速してスタックしてしまうライダーがでた。その一人がまさかの#05岩井良宏選手(331 Racing Team)だった。岩井選手といえば昨年の開幕戦を制するなど、阪下にめっぽう強いイメージなのだが、ここにまさかの落とし穴があった。スタートで出遅れた岩井選手はその後も淡々と走り切り、FUN-Aクラス10位でフィニッシュしている。
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  • スタートから飛び出して好走を見せたのは#034 嶋岡虎汰朗選手(ハスクバーナショップヒラタ自動車)。序盤に築いた差をキープして総合優勝を獲得した。マシンはハスクバーナTC85だ。
  • 「このコース、下見では不利かなと思ったのですが、TC85の軽さのおかげで、みんなが押さなくてはいけないところをマシンに乗ったまま押すこともできたし、エンジンもよく粘るので最後までしっかり走ってくれました。体力ロスもなくて、逆に有利だったかもしれないですね」と話してくれた。
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  • 総合2位に入ったのはFUN-Bクラス#55 山田嵐士(野田ジュニアRC)選手。普段はクロスパーク勝沼をホームとしてモトクロス活動をしているライダー。昨年は関東と中部のNBチャンピオンを獲得し、本戦もモトクロスシーズン前のスポット参戦だった。
  • 「勝沼はよく滑るコースなので雨は得意です。阪下は滑らず掘っていく感じなので、ハンドルを取られないように注意しました。今月初めにおじいちゃんが亡くなり、お祖父ちゃんのためにも楽しく走りました。次回参加したときは総合優勝したいです」
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  • FUN-SAを制したのは#4016 野頭勝敏選手。チーム名はchikenracing盛岡 with MOTUL&JAMS。まさかの超遠方からの参戦かと思っていたら、まさにそうだった。
  • 「14時間かけて会場に来て、100分走って帰ります(笑)」と、表彰台では笑いを誘った
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  • 女性ライダーの戦いも見所だった。最高峰クラスFUN-WAAは、YZ125Xの50mmローダウン仕様を持ち込んで来た#近藤香織選手(WRパワーレーシング with YAMALUBE)。昨年はWAで菅原穂乃花選手と戦った近藤はWAAに昇格。そして昨年後半にWAAに復帰してきた根岸舞美選手との一騎討ちとなった。本戦、根岸選手は夫婦で参戦(夫の瑞生選手はCOMP-A 5位)。レースは近藤選手が引っ張る展開で6周目までトップ。一時は根岸選手に3分以上の差をつけていたが、大きなミスがなく安定したラップを刻んだ根岸選手が7周目にトップに立つと、最後は4分以上の大差をつけて優勝を飾った。
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  • ちなみに WAからWAAへの昇格条件は
  • 「クラス別ランキングにおけるWAチャンピオン獲得」
  • 「シリーズ中WAクラス4回優勝」
  • 「シリーズ中FUN総合20位以内に入賞
  • となっている。決して簡単な条件とは言えないが、モトクロスにおけるレディースのレベル向上(残念ながらライダー層は薄くなってしまっているが)を考えると、ぜひこのクロスカントリーにも実力派の女性ライダーが続々と参戦して欲しいと願う。ちなみに女性ライダーのJNCCにおけるレジェンドは何と言っても萩原真理子選手(世代によっては知らない人もいるかもしれない)だ。10年前に女性でただ一人AAライダーにまで上り詰めた、トライアル&モトクロストップライダー。性別問わず魅了する、そんなXC女性ライダーがこの先出現してくることを望みたい。また、WA優勝の赤松樹愛選手は現役全日本モトクロスレディースライダーで、阪下は昨年に続いてのスポット参戦だった。
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  • JNCC第2戦 ビッグディア広島は3月24日、テージャスランチで開催される。熱戦の火蓋はまだ落とされたばかり。次戦、各クラスの熱い戦いに期待したい!

 
 
 
 
 

 
 
 
 
 


 

  • スタート直後に待ち構える大きな水溜り自体の深さはそれほどでもなかったが、バンクコーナーの壁を登り切らずにスタックしてしまうと大変!

 
 
 
 
 
 


 

  • COMP-GPの 熱田孝高 選手、矢野和都 選手のマシン作りやサポートをしながらも、福森寿明 選手と共にFUN-GPに参戦中の 新田豊起 選手( BIVOUAC大阪 with RG3 Racing )

 
 
 
 
 
 


 

  • FUN GPスタート整列前に注目された、巨大水溜り。「大阪湾」という呼称もSNSで飛び交った。偶然か必然か、天候によって、普段なんでもない所が難所に変わりうるのがクロスカントリーの醍醐味なのだ!

 
 
 
 
 
 


 

  • 新レースクイーンのオ・ヤンへさんも、寒空の中一生懸命ライダーを応援し、盛り上げてくれた!

 
 
 
 
 
 


 
 
 
 
 

 

  • TC85の軽さを生かした走りを披露し FUN GP総合優勝を飾った 嶋岡虎太朗 選手(ハスクバーナショップヒラタ自動車)は、COMP GPにはTC250でダブルエントリーを果たした(クラス3位)

 
 
 
 
 
 


 
 
 
 
 

 

  • キッズ時代からモトクロス活動中の 山田嵐士 選手(野田ジュニアRC)は、昨年度NBチャンピオンで今季はNAに昇格。クロスパーク勝沼をホームとしているだけに、雨天には強い!

 
 
 
 
 
 


 
 
 
 
 

 

  • FUN-A2位(総合3位)は 佐久間貴敏 選手(FiveStar The Wish & YSP浜北大橋)。3位にの湯浅選手との僅差バトルを制した。「最終ラップまでバトルで大変でしたけど、二人で楽しく走れたと思います 」

 
 
 
 
 
 


 
 
 
 
 

 

  • インドネシア製のマフラー「NORIFUMI」を装着したYZ250FXで、FUN-A3位(総合4位)を獲得した 湯浅将司 選手(TEAM S☆S YUASA YSP香川ノリフミ)。「久しぶりにスタートで出れたけどあまりにもトップが速くて、1周で1分以上差がついた時点で諦めました 」

 
 
 
 
 
 


 
 
 
 
 

 

  • FUN-SAを制したのは14時間の大遠征をしてきた 野頭勝敏 選手(chikenracing盛岡 with MOTUL & JAMS)

 
 
 
 
 
 


 
 
 
 
 

 

  • FUN-Cクラスでただ一人10周を走り優勝したのは 近藤勇作 選手(TEAM MIZUHO)

 
 
 
 
 
 


 
 
 
 
 

 

  • KDX125SRで FUN-Dクラスを制した 柿本忠昭 選手(柿本輪業レース部門)。レース中も楽しそうな姿が印象的!

 
 
 
 
 
 


 
 
 
 
 

 

  • 近藤香織選手との FUN-WAAバトルを制した根岸舞美選手。昨年 AAGPでは105ccのパワーに苦戦していたが、本戦は4分もの大差を逆転して優勝した!

 
 
 
 
 
 


 
 
 
 
 

 

  • 昨年度全日本モトクロスレディースクラスランキング7位の 赤松樹愛 選手(FACTORY BEAR RACING TEAM)は「丸太はびびってしまって2回しかできませんでした。次回トライしたいです。雨は苦手ですが思ったよりも走れました」とコメント。

 
 
 
 
 
 


 

  • 自社が取り扱うモーターサイクルでレース参戦中の 野口英康 選手(FANTIC MOTORISTS RACING)。今回は30万円代で買えるNICOT「XE125」で参戦。190ccにボアアップ済みでフレームも強化されているようだ。レース初心者にもオススメとのこと。