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FUNライダーから好評だった 新コース!
- JNCCに参加するライダーの多くは、天気予報をこまめに見ていることだろう。雨が降るか否かで路面コンディションは大きく変化し、そのためにタイヤ選択やマシンセッティング、ゴーグルやヘルメット、マシンなどの泥付き対策、ブーツ内部の泥侵入防止など、とにかくやることが多くなるのがマディコンディション。もちろん洗車も洗濯も大変、なるべくならばマディは避けたいというのが本音だろう。
- しかし FUN-GPを走り終えたライダーから聞こえてきたのは「コースが楽しかった!」という反応! 今回もJNCCコースディレクターの萩原一氏にコース設定の狙いなどを伺ったが、最大の特徴はコースのバリエーションであり、ラインを増やして大渋滞を回避し、ベストラインを見つけるテクニックも試すことができるチャレンジングなものであること。これは常に萩原氏がレイアウトする際に心がけていることでもあるが、特に広大で変化に富むテージャスランチでは最大限に効果を発揮するはずだ。
- 今回の開催に向けてJNCCスタッフは3週間泊まり込みで新規レイアウトを開拓。開拓と一言にいえば簡単だが、実際には山の中を歩き回り道を作り危険な木枝を伐採したり試走を行うなど、とても手間がかかるものだ。残念ながら雨天のため2割から3割近くはカットされてしまったが、その創意工夫はレース後のライダー達の満足そうな表情を見れば明らかだったのだ。
- さて、FUN-GPは COMP-GP同様にレース時間も大幅にカットとなった。FUN-Aクラス、スタートから飛び出したのは 嶋岡虎汰朗 選手(ハスクバーナショップ平田自動車)。開幕戦での優勝で波に乗る若手ホープは、今回もハスクバーナモーターサイクルズのTC85(2ストローク)で参戦。嶋岡はその後も順調に後続を引き離しトップを快走していたが、4周めに痛恨のスタック。「85ccのパワーではとても出られない溝にハマって6分くらいのロスをしました。これがなければ優勝できたと思います」と話した。しかしながら、一時は6番手まで落ちたはずなのに、最終ラップでごぼう抜きを見せて2位でゴールしたのはさすがとしかいいようがない。午後はCOMP-Aクラスに出走した、元気で勢いのあるヤングライダーに次戦以降も大注目なのだ。
- 優勝は 岩井良宏 選手(331 Racing Team)。サザンハリケーンではスタート直後のスタックなどで順位を大きく落としてしまったが、今回は終始安定した速さをキープし続けた。「スタートは出られましたね。コースの半分くらいは下見をしていないので最初は安パイで走りましたが、一度間違えて降りてしまったところがあってその間に抜かれてしまいました。転ばないように気をつけたのですが3回は転倒したし、埋まった箇所もありました」と本人談。実は膝に水が溜まっている状態で思うように曲がらないらしい。まもなく50歳を迎える岩井選手は普段はバランスボールに乗り体幹を鍛え、オフロードヴィレッジでモトクロスの練習を行いながら、コーナーのスピードアップ、バイクを操る技術を身につけている。状態が決してよくない膝とも付き合いながらチャンピオンを目指すという。ただし次戦グリーンバレー森羅は全日本モトクロスの仕事と重なるなため欠場する。
- FUN-Aクラス3位に入ったのは 竹崎暢臣 選手(ケモ山ウズ男/HBM)で、1周目6番手から一時2番手まで浮上。最終ラップに嶋岡選手に抜かれるものの、見事3位でフィニッシュした。4位には 新田豊起 選手(BIVOUAC大阪 with RG3 Racing)。「これが僕の最大限の走りです」と、実力を出し切って表彰台登壇を達成した。
- 猛烈な追い上げを見せたライダーがもう一人いる。FUN-Bクラス優勝の Wagner Travis 選手(ogishima & RSP)だ。かつてWEXなどに参戦していたWagner選手だが、3周めにクラストップを奪うとそのまま安定した走りで優勝した。総合でも5位と大健闘だった。
- レース時間の短い FUN-GPにおいてマディレースはスタックや転倒で順位が大きく変動するともいえ、リザルト上位では FUN-Aクラスと FUN-Bクラスが混合する結果となった。Wagner選手に続き FUN-Bクラス2位の 河原廉弥 選手(Teamへっぽこ)は総合でも6位という好成績。さらに午後は COMP-Rクラスで 27番手→優勝という驚異的な追い上げを見せる大活躍ぶりだった。ホームコースゆえに自信があったというが、今後の活躍に期待したい。
- ウイメンズクラスで特筆すべきなのは、FUN-WAクラス優勝の 菅原穂乃花 選手(バイカーズベア with SP忠男広島)。地元の利を生かした走りは随所で見ることができた。スタックや転倒車がいる難所でも確実に前進する姿をカメラが捉えている。総合 33位は女性陣のなかではダントツだった。そして4台が出走した FUN-WBクラス優勝は 和田綾子 選手(和田屋src)だった。和田選手は千葉県の成田モトクロスパークをホームとしているライダーで、いわばマディで滑りやすいコースの経験値も高く、「好きなテージャスランチ」での好走となった。
- 次戦第3戦は4月21日に開催される阿蘇観光牧場を舞台とした「 グリーンバレー森羅 」。 ドライのハイスピードレースとなるのか、はたまた雨天によるマディレースとなるのか。その答えは「神のみぞ知る」だ。
- フラットエリアでのスタート、ホールショットを決めたのは、前戦の雪辱を果たした 岩井選手。オープニングラップのミスコースで順位を落とすものの、最終的にトップでチェッカーを受けた。
- 普段はモトクロスコースでの練習をおこなう 岩井選手。スピードを身につけることを重点とした練習はマディでも生きると証明。
- 今回のレースクイーンはシンガーソングライターの「きゅみ」さん。泥だらけになりゴールした選手を笑顔で迎えてくれた!
- ハスクバーナショップ平田自動車のサポートを受け参戦する 嶋岡選手は、開幕戦に続きTC85で激走。スタックでのタイムロスで優勝はならなかったものの、最後の追い上げは驚異的だった。
- FUN-Aクラス3位の 竹崎選手は終始上位を走る安定感を見せた。
- 一面マディゆえに、スタート直後の混乱もひとしお。美しいマシンが早くも泥だらけに!
- 「すごくタフなレースだったけどタイヤのトラクションに助けられて最高でした」と、FUN-Bクラス優勝の Wagner選手。
- 女性ライダーでの総合最上位は FUN-WAクラスの 菅原選手。まさに地元ライダーの強さを見せて、淡々と前進する姿を随所でみせてくれた。
- リタイアも多くでた FUN-Dクラスを優勝したのは 清水晴貴 選手(モトシーズン)。過酷なコースで4周を走りきった。
- RG3ジャパンとしてCOMP-GPでは 矢野選手や Stefan選手をサポートした 新田豊起 選手は、FUN-Aクラス4位と検討。
- 辛そうなコンディションでも、楽しんでいた選手が多かった FUN-GP。ピースサインをくれたのは FUN-Dクラスの 有馬義徳 選手(NUTEC・人壽工業RT・モトサロン)。
- 長野や埼玉から仲間と遠征した FUN-Aクラス3位の 武井優大 選手(teamナポ eith my企画 MOTUL)、FUN-Dクラス3位の 増田美照 選手(TEAM ZUGAGA with k-cross)と喜ぶ。
- FUN-SAクラス優勝の 佐藤敬司 選手(WR Power Racing & YSP富山)は、「昨年AAGP以来のレースでしたが意外と走りやすかったです」と振り返った。
- 「人生で初めての優勝です」と感動の 大霜貴央 選手(バイカーズベア)は、FUN-Cクラスでトップチェッカー!
- 関東では「マディの難しさ」で知られる成田モトクロスパークをホームとする 和田選手は、FUN-WBクラスで圧勝。
- ゴール直後におこなわれる ホッテストアワード で受賞されたみなさん。マディのなかお疲れ様でした & おめでとうございました!