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- JNCCが誇るスター選手が勢揃いした第4戦 ビッグバード高井富士。これまで優勝できていないディフェンディングチャンピオンの 渡辺 学 選手( bLU cRU TwisterRacing )に対し、こちらもまた初優勝を狙う 馬場大貴 選手( YSP浜松 with BABANASHOX )。 開幕戦サザンハリケーン大阪で優勝、第2戦ビッグディア広島で2位と活躍した 矢野和都 選手( RG3 Racing )、前戦グリーンバレー阿蘇 は全日本モトクロス選手権との同日開催のため欠場した 熱田孝高 選手( BIVOUAC OSAKA with RG3Racing )と、トップライダーが集結。
- ハスクバーナへのマシン変更3戦目と調子上向きの 小林雅裕 選手( ALPHATHREE )とベテラン 鈴木健二 選手( bLU cRU Blue Riders with YAMALUBE )による COMP-AA2バトル も見逃せない。 また COMP-AA1クラス には半年ぶりの復帰となった 小林雅人 選手( FLAIRLINE&X-PARK勝沼 )が姿を見せてくれたし、ハードエンデューロの世界で著名な 勝山 聖 選手( K's racing 愛知支部 )の COMP-Aクラス へのスポット参戦や、それを迎え撃つ 大重勇透 選手、嶋岡虎汰朗 選手 の ハスクバーナショップ平田自動車 のコンビの走りも注目されていた。
- さて、今回のコースに関してコースディレクターの 萩原一氏 にたずねてみると、次のようなポイントがあることがわかった。
- ⚪️ ウッズ区間の充実化。今回の開拓でさらにロングになりラインも拡充。2レーンセクションなども設けてバトルの醍醐味を増やしている。
- ⚪️ BB転がし(長いダウンヒル区間)のワイド化。入り口出口の幅を増やすことで1本ラインになることを軽減。
- ⚪️ 散水の強化。ビーチレースで使用したスプリンクラーをゲレンデコースに初導入し、スタートやゴール付近へ散水。レースの安全性を強化。
- といったことを挙げて頂いた。特にウッズの充実化は、走り終えたライダーたちの満足そうなコメントや笑顔からもうかがい知ることができたのだった。
- 決勝レースは 馬場選手 の会心のホールショットで幕を開け 熱田選手 が後を追う展開。渡辺選手 はオープニングラップで転倒を喫して追い上げを余儀なくされたが、ここからが本領発揮だった。
- スタートで飛び出した 馬場選手 は「一戦空いた(前戦グリーンバレー阿蘇は全日本モトクロス選手権とかぶり欠席)から、余計に気合いが入りすぎちゃって、ありえないくらいに腕上がりしました」とレース後に振り返るが、おなじく前戦欠場の 熱田選手 とともにトップ争いを展開。しかし 渡辺選手 のウッズ区間のスピードが凄かった! 転倒により出遅れてもウッズ区間で追いつけることを確認した 渡辺選手 は、いくつか用意していたラインを試しながら前の2人に追いつくと、そのまま1周目途中でトップに浮上。結果としてそのままトップを譲らずに今季初優勝を決めたのだった。
- 「今回はドライだしトップライダーが集まっているので、ここで勝ちたかったですね。早めにスパートをかければ勝負がつくと思いました」と、その後は無転倒で走りきった。ちなみに 渡辺選手 の本戦のマシンはYZ250F。YZ450FXは前戦での破損から部品が間に合わず テクニクス や 馬庭メカらの協力を得て急遽このマシンで作り込みをしたが、相当乗りやすかったようだ。
- そして2位バトルはドラマチックな結末を迎えた。馬場選手を従えて終盤まで2位を快走していた 熱田選手 だったが、立木に激突してしまうアクシデントがあり順位は逆転。2位に馬場選手 3位に熱田選手という結果となった。
- COMP-AA2のバトルも熱かった。レースを制したのは小林選手、その46秒差でゴールした鈴木選手との僅差の争いは白熱した。ウッズでの二人の激走をしばらく注目していたが、レースの状況に応じてラインを変えていく彼らの走りはさすがベテランらしく、レースの組み立ても含めたバトルは長丁場のクロスカントリーならではの醍醐味だと感じた。このバトルを制した小林選手は「スタートは良かったんですがホコリで視界がなくなった際に抜かれちゃいました。前のグループには絡めませんでした」とコメント。成田氏のインタビューに「いままでも苦しいとかキツイことはせず、楽しく乗るスタンスでここまでやってきています。これからもそうしていきます」と返答。小林選手に限らず、JNCCを走る選手にはレースやバイクを「楽しむ」気持ちが常にある。これが普遍的な人気の理由でもあり、参加する人たちのモチベーションにも繋がっているのだろう、そんなことを改めて感じたレースでもあった。
- さて、本戦の優勝候補だった 矢野選手 になにが起こったのか? レーススタート後早々にマシン破損で復旧に時間がかかるものの、チーム力で復活。その後の凄まじい走りは見るものを圧倒した。COMP-AA1最下位ながら10分45秒34 という大会最速ラップをマークしたのだった。昨年のAAGPでベイラー選手から教わったというウッズの走りをマスターしたというので、今後のレースが楽しみである。
- 本戦のもう一つの目玉が COMP-Aクラス の 勝山選手 の走り。ハードエンデューロ界の実力者がクラス優勝、総合10位でゴールしたのだった。
- 「プライベーターとして総合でどこまで食い込めるか自分の実力を試したかったです。目標は10番以内でした」という勝山選手は、さすがの走りをみせてくれた。ウッズの走り方はハードエンデューロで染み付いたものなので自信があったともいう。今後の参戦予定は未定だが3年前の雨の鈴蘭で6位に入っているだけに、次戦以降にも期待したいところだ。
- さあ、次戦第6戦ワイルドボア鈴蘭が6月16日に開催される。シリーズ折り返しとなる大会で、どんなドラマが生まれるのか、今から楽しみでしかたない!
- 渡辺選手にとって本戦は急遽 YZ250Fでの参戦だったがウッズの速さを活かし1周めにトップにたつと、その差を詰めさせずにゴール。今季初優勝を飾った!
- 不運もあり第3戦まで勝利がなかった 渡辺選手 だが JNCC最多シリーズ制覇の実力からか、これまで焦りを微塵も感じさせてこなかったところが流石である。レース後も勝因を淡々と語ってくれた。
- 凄まじいホールショットを炸裂したのは 馬場選手。腕上がりで後退するも最後まで諦めない走りで2位を獲得。「全日本モトクロスチームの若い選手も頑張っているので、自分も早く勝ちたいです」とコメント。
- レース終盤まで2番手を走行していた 熱田選手だが、ウッズでの立木への衝突で3位に後退。多忙な日々を送るなか JNCCに参戦する理由は「レースの刺激は日常生活では味わえないから、やっぱりレースが好きなんですよ!」と語る。
- オープニングラップの BB転がし、馬場選手を 熱田選手と 渡辺選手が追走した。
- 入り口 出口 の幅を広げることでライン選択の自由度が増した BB転がし。スリリングなダウンヒルはかつての「ほうのき転がし」を連想させ、JNCCの目玉のセクションともいえる。
- 57台が出走したCOMP-Rクラス。スタートから1コーナー付近はスプリンクラーの効果もあり、砂埃が立たなかった。
- 上位トップグループには絡めなかったが、鈴木選手との接戦を制して COMP-AA2クラス優勝を果たした 小林雅裕 選手。
- 序盤のマシントラブルで優勝争いはできなかったが、大会最速ラップをマークした 矢野選手。「ベイラー伝授のウッズ走行をマスターした」と手応えを感じたようだ。
- レース後は流石に疲労感を隠さない 鈴木選手だが、COMP-AA2クラスで激闘を演じ見事2位でフィニッシュ!
- COMP-AA1クラス4位は 齋藤祐太朗 選手( Wise Beta Racing )。「次回はさらにウッズを長くしてほしいです」と今回のコースにも満足の様子。
- 半年ぶりのレース復帰となった 小林雅人 選手は COMP-AA1クラス5位。「すごく楽しかったですが、まだ練習が足りませんでした」と振り返る。次戦以降の活躍にも期待。
- 前戦グリーンバレーで初優勝した 鈴木涼太 選手( YSP浜 北大橋racing )は「九州で勝てたことで応援も増えていて嬉しかったです」とコメント。本戦はクラス6位で終えた。
- ハードエンデューロ界で著名な 勝山選手は総合でも10位と大活躍、COMP-Aクラスでは2位の大重選手以下をラップする実力を発揮した!
- COMP-Bクラスを制したのは 澤田誠翔 選手( FRONT UP TEAM 大門 )、グリーンバレー阿蘇からの連勝だった。「優勝したので父にDFGウエアを買ってもらえます。鈴蘭はブーツを買ってもらえるように頑張ります」と、会場の笑いを誘った。
」と語った。
- COMP-Rクラス優勝は 松村直人 選手( ゆるオフざけ部 )、総合でも22位という快走だった。