"2レーンも加わり" ビッグバード 群を抜くスーパーウッズ !!

  • JNCC 全日本クロスカントリー選手権 第4戦 ビッグバード高井富士 FUN
    日時: 2024年5月19日(日曜)
    開催地:X-JAM 高井富士
  • Reported by DAIGO MIYAZAKI

  • 全9戦で開催されるJNCCシリーズは いよいよ長野ラウンドに突入した。舞台はシリーズ中唯一2回開催される X-JAM高井富士 だ。ここの魅力はなんといってもゲレンデとウッズの醍醐味が凝縮していること。ダイナミックにレイアウトされたゲレンデはアクセルをワイドオープンできる箇所もあれば、広大なウッズではラインが複数確保されているので、その緩急が絶妙で楽しいのだ。特に FUN-GP はガレ場やダウンヒルセクション「 BB転がし 」などを無くしたハイスピードコースが用意されているのだが、新たな試みも導入されていた。
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  • その一つが2レーン。JNCCスーパーバイザーとして活躍中の 成田 亮 氏が考案したこのセクションは、林間ウッズセクションのなかに2通りの独立ラインが確保されていた。距離的に短いイン側には丸太が敷かれていたりすることは常套手段ではあるが、この2本のラインはどちらかというと モトクロス や スーパークロス 的な感覚にも近く、シンプルにスピード競争ができるものだった。またトップライダーにとっては周回遅れのライダーのスムースなパスも勝敗の重要ポイントともいえ、豊富に用意されているラインをどう繋げるのかも試されていたともいえる。
  • そして もうひとつはやはり ウッズの拡大 だろう、今回は広大なベイラーウッズを FUN-GP でも初めて採用。コースディレクターの 萩原一 氏 によれば、難易度を高めつつも、初心者でも走れるラインを確保する事を念頭に開拓してきたという。このベイラーウッズは「まだまだアップデート出来る!」というので、今後の展開も楽しみだ。
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  • さて午前のレース、FUN-GPがスタートした。まずスタート前に注目したのは #05 岩井良宏 選手(331 Racing Team)のグリッド待機シーン。ホールショットを確実にとるために、マシンを1コーナーイン側に向けて待機。星野代表の振るスタートフラッグに対しての反応も早く1コーナーに飛び込んでいったのだった。さすがモトクロスライダーならではの走りを見せてくれた。
  • 一方 今季岩井選手と優勝を分け合い、熾烈なトップ争いを展開しているのが #034 嶋岡虎汰朗 選手(ハスクバーナショップヒラタ自動車)。開幕戦 サザンハリケーン大阪 は嶋岡選手、第2戦 ビッグディア広島 は岩井選手、第3戦 グリーンバレー森羅 は嶋岡選手が優勝と、この2人は交互に勝ち分ける大接戦を展開している。
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  • 本戦は 岩井選手の安定した走りがとにかく光った。序盤は岩井選手の快走、しかし猛烈に追い上げてきたのが嶋岡選手だった。嶋岡選手は3周めの時点で岩井選手をパスしてトップに立つが、次の周回には2番手へ。2ストローク85ccゆえに給油のためのピットイン回数が多いのは否めなくそこで順位は入れ替わるのだが、さらに岩井選手をパスして中盤以降はトップを走った。
  • このまま決着がつくのかと思いきや、転倒によるミスで順位を後退。チェーンが外れてしまうトラブルに見舞われて順位を落とす結果となってしまった。これで岩井選手が今季2勝目をあげた。FAクラスの優勝常連ライダーのイメージもある 岩井選手だが、実はゲレンデコースでの優勝は初めてだという。林間での視界確保に苦戦したが、今回のコースに関してはウッズの中の黒く浮き彫りにされたラインを見ることが出来たため、攻めることができたのだという。本戦がドライコンディションだったことも岩井選手の優勝を後押ししたのかもしれない。
  • 「嶋岡選手は給油でピットインしているし、スピードでは負けているし、抜き返すことはできないですよ」と謙遜する岩井選手だが、結果は結果ということで、嶋岡選手との優勝争いは面白いように交互に勝ち分けている。次戦以降もこの二人のトップ争いからは目が離せないだろう。
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  • FUN-Bクラスのバトルの熱さも負けていなかった。#4 瀧村泰自 選手( SCF&バイクボンバー&KRC&FRONTUP )と #8 Wagner Travis 選手( ogishima & RSP )である。全9周のうち8周を Travis選手がリードする中、すぐ後方を瀧村選手が追走する展開。レース時間の短い FUN-GPならではのスリリングな展開となったが、Travis選手は終盤タイムを落とした一方で、瀧村選手は最終周に猛アタック。
  • 「いつも最初に頑張り過ぎて失敗することが多かったので、今回は作戦を立てて臨みました」と話す瀧村選手は、レース後の HOTEST AWARDで 成田氏から次戦からのFUN-Aクラスでの参戦を促されると「ちょっと考えます(笑)」と返答。いずれにしても本戦も総合2位を獲得しており実力は十分。機は熟しているとも言えるだろう。2位でゴールしたTravis選手だが、第2戦のビッグディア広島でもクラス優勝するなど好調ともいえるだけに、今後の活躍が楽しみだ。
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  • 本戦は女性ライダー達の熾烈なバトルも注目された。 WAAクラスは 近藤香織 選手( WRパワーレーシング with YAMALUBE )と 根岸舞美 選手、WAクラスには 菅原穂乃花 選手( バイカーズベア with SP忠男広島 )が参戦しているが、レース序盤はこの3人によるホットなバトルを展開。「前半は抜きつ抜かれつのバトルができましたが、転倒を繰り返したり下りのウッズで木に突っ込んだりして遅れて焦ってしまいました。でも諦めずに走っていたら気づいたら前にいました」と、近藤選手が実力を発揮してWAA優勝。女性陣トップでゴールした。
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  • 次戦は6月16日のワイルドボア 鈴蘭。どんなドラマが待ち受けているのだろうか、いまから楽しみだ。

 
 
 
 
 

 
 
 
 
 


 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 

 

  • スタートを決めて途中2番手に後退するも、本格的ゲレンデコースでの初優勝を飾った FUN-Aクラス 岩井良宏 選手。これで今季2勝目、嶋岡虎汰朗選手の2勝にも並びますます激戦の模様となっている。

 
 
 
 
 
 
 


 
 
 
 
 
 

 

  • スタートグリッドに着いた時から勝負は始まっている。岩井選手は1コーナーに向けて直線的に加速、見事圧倒的なホールショットを獲得したのだった!

 
 
 
 
 
 
 


 
 
 
 
 
 

  • 虎視眈々と前をいく Wagner Travis選手を追走した FUN-Bクラスの 瀧村泰自 選手は、終盤にスパートをかけて逆転優勝。過去の失敗を踏まえての作戦が功を奏した結果となった。

 
 
 
 
 
 
 


 
 
 
 
 
 

 

  • 第2戦 ビッグディア広島 ではクラス優勝を飾った Travis選手。本戦も終盤まで好走をみせていたが最後に瀧村選手に逆転されて2位へ、しかし総合でも4位という大健闘だった。

 
 
 
 
 
 
 


 

  • FUN-Aクラス2位は、岩井選手から約30秒遅れでゴールした 佐久間貴敏 選手( FiveStar TheWish & YSP浜北大橋 )

 
 
 
 
 
 
 


 
 
 
 
 
 

 

  • 転倒やチェーントラブルなどで優勝を逃した嶋岡選手だったが、途中トップを快走するシーンも見せてスピードを証明。COMP-Aクラスでは3位と無尽蔵の体力を見せる今季。

 
 
 
 
 
 
 


 

  • 激戦の FUN-Cクラス、106台の一斉スタートは大迫力だ! 本戦ではスプリンクラーを持ち込んでの散水効果もあって1コーナー付近はホコリ対策が効果を発揮していた。安心してスタートできるのはありがたい。

 
 
 
 
 
 
 


 

  • 参加台数が多い FUN-Cクラスを制したのは 藤井敬久 選手( チーム鶴里 with バイクボンバー )。 なんと朝にラジエターからの水漏れを発見!「初対面なのに 鈴木健二 さんと 渡辺 学 さんに快く直していただけて感謝しています」とヤマハによる手厚いサポートがあったことをコメントしてくれた。

 
 
 
 
 
 
 


 
 
 
 
 
 

 

  • FUN-Aクラス3位の 湯浅将司 選手( TEAM S☆S YUASA YSP香川 NORIFUMI )とバトルする 得地孝一 選手( 城北カワサキRT )は60歳を過ぎたということもあり、本戦から FUN-SAにコンバート。スタミナの秘訣は「毎週欠かさずにバイクに乗っていること」とのことでした。

 
 
 
 
 
 
 


 

  • FUN-Dクラス優勝は 堂野前克典 選手。「体力が落ちて4位まで落ちましたが、最終ラップの最終コーナーでインをついて0.5秒差くらいで勝てました。広島はスタート2分で沼に埋まってしまいXのタイムラインで流れて恥ずかしかったので(笑)、勝ててよかったです!」

 
 
 
 
 
 
 


 

  • 本戦から導入された2レーンは 成田 亮 氏の提案によるもの。勝負ポイントとしてどちらのラインを選ぶのか、バトルの緊張感も得られる試みだった!

 
 
 
 
 
 
 


 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 

 

  • 女性ライダートップでゴールしたのは FUN-WAAクラスの 近藤香織 選手。テクニクスによる 50mmローダウン車での初レースだったが「ゲレンデのギャップも振られず、気持ちよく走れました」とコメント。菅原選手のマシンと比べると車高の違いは明らか。

 
 
 
 
 
 
 


 

  • FUN-WAの 菅原穂乃花 選手は「スタート前は緊張しました。実力不足で香織さんに勝てず、まだまだです。ウッズは迷いもありましたが、色々学べたし楽しかったです」とコメント。

 
 
 
 
 
 
 


 

  • FUN-WBクラス FUN-WDクラス ともに熾烈なトップ争いが展開。WB優勝は 桶川華乃 選手( チームケイズ )。「接戦でいつ負けるか不安でしたが 最後は気合いで走りました」と、2位の 和田綾子 選手( 和田屋src )とのバトルを制した。

 
 
 
 
 
 
 


 

  • FUN-WDクラス優勝は 的場叶恵 選手( 中山レーシング with RG3 )。「2位のかたとは接戦で精神的に厳しかったです。また頑張りたいです」とコメント。